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日曜日に楽しむ「そば打ち」
井上 明・著
エクスナレッジムック　　 出版社のホームページ
定価：1,500円
2002年4月刊
B5版 (18.2x25.7cm)　95p

この本は、私が主催する川越蕎麦の会の手打ち蕎麦速習カリキュラムと生徒さんから寄せられた生の声をもとに、写真をふんだんに使って全く初めてそばを打つ方や、脱入門・脱初級の壁に悩んでおられる方を対象に、最短の時間と労力で、細く、長い麺を失敗なく打っていただけるように工夫しました。
(「はじめに」より抜粋)
手近な道具や台所用品を流用して蕎麦を打つのは、蕎麦打ち入門者にとっては実はやっかいな仕事である（経験からそう思う）。
技術と道具は一体のものであり、目的にかなう適切な道具を正しく使わねばならない、という主張をこの本は根底に秘めている。入門者にとっては、蕎麦打ち技術と道具の扱い方を知る上で貴重な一冊であるだろう。

同時に、最適プロセスを経なければ、美味しい蕎麦という最適解には至らない、という主張も込められている。
脱入門者にとっては、プロセスの最適化こそが大きな課題であり、本書は大いに参考になるに違いない。

技術解説に徹して蕎麦の薀蓄を語らない潔さもあり、蕎麦打ち入門書としては十分な内容。入門者にとっては本書だけでこと足りるという、頼りになる一冊。

奇妙な感想に思えるかも知れないが、少し前のドイツ車の整備マニュアルを「読む」ような楽しさが、この本にはある（最近のドイツ車のマニュアルは面白くないのだけれど）。敢えて難点をあげると、スローシャッターで写された一部の写真の分かりにくさかな。
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