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十割そばが誰でもできる
秘伝!大久保式そば打ち術

大久保 裕弘・監修
宝島社   出版社のホームページ
定価:1,300円
2002年8月刊
B5版 (18.2x25.6cm) 95p

十割そば打ちの難しさを知る経験者はむろん、
かりに、はじめての人であっても、
大久保式そば打ち術なら、うまくいきます。
(とびらより抜粋)
いやはや、「水回し棒」には驚いた。
本書を読んで同じような道具を製作し、小さな小学生に蕎麦を作らせてみたところ、ちゃんとした蕎麦になった(もっとも、水回し棒を掻き回し続けるには力がいるので、途中で音を上げていたのだが)。
もっと驚いたのが、電子レンジで作る「そばがき」だ。
作ってみると、表面はスポンジケーキのようだが、まぎれもない「そばがき」ができあがる。

帝国ホテルの総料理長として知られた村上信夫氏が、「電子レンジの時代にはそれを利用したフランス料理があって然るべきだ」と言っていたことを思い出す。
先人の工夫や蓄積をすべて呑み込み、その上に新しい力を加える前衛こそが、伝統を前に押し進める。
古田織部が茶碗を捻じ曲げて茶の道をさらに押し進めたように、前衛の力によって伝統は幾重にも積み重ねられて行くのだと思う。
蕎麦打ちという伝統技術の上に新しい工夫を加えた本書は、間違い無く蕎麦打ちの前衛書である。
あらゆる蕎麦打ち趣味人にお勧めできる。

そば粉の入手方法や、蕎麦栽培などの記事も役立つ。別冊宝島676号。
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