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そば屋今昔
堀田 平七郎・編
中央公論社(中公新書No.513)
出版社のホームページ
定価:524円
1978年8月刊
新書版 (11.0x17.4cm) 177p
その枯淡なる、その自由なる、その民衆的なる点において、そばほど、大衆に親しまれ、愛されてきた食べ物はあるまい。この味・色・香に三絶した江戸趣味の食べ物を正しく伝えることに必死懸命の努力を傾け、名代ののれん「並木藪蕎麦」を築き上げた先代と当主とが、手作りの味・本物のそばをつくるための極意を公開する。 ここに一途にそば作りに精進し、それを至芸にまで高めた職人の、何事も即席化した現代への批評がある。
(カバーより引用)
編者である堀田平七郎氏が大正6年生まれ。そのお父上である明治20年生まれの堀田勝三氏が書いた原稿が、本書の骨格となっている。大正から昭和中期までの話だから、今日から見ればまったくの昔話なのだが、どんなに時代が変わっても、変わらないものがある。その変わらぬものを見出すのが、この本を楽しむ秘訣。昭和5〜6年の恐慌の頃の話も、まさに今日の状況(平成大不況)と重なる。
サン・テグジュペリが読み継がれ、宮沢賢治が読み継がれて行くように、この本も読み継がれるべきものだと思う。何度読んでも飽きない本のひとつ。古典。
出版年は古いが、まだ絶版にはなっていないようだ。値段は少し上がっている。
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